2026/8/6 00:00

第14回健康寿命をのばそう!アワード受賞 毎回200人が集う介護予防

課題

通い場参加者の高齢化、通いの場の新規参加者減少、現場の労働力不足

取り組み内容

地域課題の整理、新規介護予防事業の企画運営

成果

・参加者数 24名→424名
・平均参加者数 171名/回
・身体機能の改善
・業務の効率化

期間

令和4年10月~現在

市町村

三股町

事業内容

介護DX事業
介護予防事業

最小の人手で、最大の成果を”― 地域とともに歩んだ、みまたフィットネス教室「ぴしゃトレ」―

「ぴしゃトレ」は2022年10月、三股町社会福祉協議会と私たちWONDER未来図が力を合わせてスタートしたフィットネス教室です。今では毎回200人近くの町民が集うコミュニティへと成長し、2025年には「第14回 健康寿命をのばそう!アワード」において、厚生労働省健康・生活衛生局長賞という栄誉ある賞もいただきました。ここに至るまでの歩みをご紹介します。

きっかけは、社会福祉協議会からのご相談

三股町とのお付き合いは、三股町社会福祉協議会の人員不足により「集いの場」の運営継続が難しくなっていたことへのお手伝いとして参画したことから始まりました。当初は4か月限定というお約束での参画でしたが、実際に現場に入って教室運営に携わる中で、私たちは次第に「本当に必要なことは何か」を、担当者の皆さまと一緒に考えるようになっていきました。

見えてきたのは、いくつかの交差しあった課題でした。介護予防教室の参加者は年々減少し、新たな参加者もなかなか増えません。十分な運動効果を確保できる教室も不足していました。地域の課題をデータで把握する仕組みもなく、そもそも現場は人材不足で、新しいことに取り組む余裕すら残っていなかったのです。

現場に寄り添いながら、未来を見据えた事業設計

私たちが大切にしたのは、目の前の課題に対処するだけでなく、5年後、10年後を見据えた提案をすることでした。現場の職員の方々からお話をうかがいながら、当時の「通いの場」の運営状況を評価し、これからの時代に合った持続可能な介護予防事業のかたちをご提案しました。

具体的には、教室に来てほしい利用者像を思い描きながらペルソナを設定し、そこから逆算してチラシのデザインを一つひとつ考え、当日使う物品の整備まで、現場の皆さまと一体となって進めていきました。行政や社協の担当者だけに任せきりにするのではなく、私たちも同じ現場に立ち、手を動かしながら伴走してきたことが、「ぴしゃトレ」を形にする力になったと感じています。

介護予防のPDCAをワンストップで

私たちの最大の強みは、介護予防事業そのものを運営できること、そのためのデータ収集システムを提供できること、集まったデータを分析できること、そして分析結果を次の施策に活かせること――この一連の流れをすべて自社内でワンストップに完結できる点にあります。企画から運営、データ活用、改善提案までを分断せずに担えるからこそ、短期的な視点だけでなく長期的な視点でも事業を評価し、常にアップデートし続けることができていると思っています。

データ活用の要となっているのが、自社開発のデータ管理ツール「cha-chat-to(チャチャット)」です。出席確認から身体機能評価、帳票作成までをスマートフォン一つで完結でき、蓄積したデータはダッシュボードで推移や変化をいつでも確認できます。200人を超える参加者の評価結果を、現場の負担を増やすことなく可視化できる仕組みが、「ぴしゃトレ」の継続的な改善を支えています。

支援を通じて生まれた変化

ぴしゃトレの取り組みを続ける中で、三股町には確かな変化が生まれています。従来の「介護予防」の枠にとらわれず、本当に必要な介護予防の実践ができるようになったこと。属人的になりがちだったプロジェクトが仕組み化され、庁内の連携が取れるようになったこと。大きな労力が必要だと思われていたデータ活用も、DXによって現場の実質的な負担を減らしながら実現できるようになりました。

理想だけを追い求めるのではなく、地域や現場の負担にも配慮したプロジェクトへと育っていったことで、事業を「つくる」だけでなく「続けていく」ことが、以前よりずっと楽になりました。組織の垣根を越えて連携できるようになったことで、これまで届かなかった層の方々にも、健康づくりの輪が広がっています。

参加者数は、当初の24名から424名(2025年7月10日時点)へ。1日あたりの平均参加者数は171名、参加者のうち男性の割合は約2割(83名)まで伸び、身体機能評価(SS-5:開眼片足立ち)でも統計的に有意な改善が確認されています。こうした地道な積み重ねが評価され、2025年には「第14回 健康寿命をのばそう!アワード<生活習慣病予防分野>」において、厚生労働省健康・生活衛生局長賞を受賞することができました。

選んでいただいた理由

三股町の皆さまが私たちを選んでくださった理由は、宮崎県内の複数自治体で自立支援型の介護予防に携わってきた経験。企画運営からDX導入、データ分析、計画策定まで、健康づくりに関わることをワンストップで相談できる安心感。大手のサービスと比べても、小規模な自治体で導入しやすい現実的な費用感。などの要素かなと思っています。なにより我々は、まだ考えがまとまっていない段階からのご相談いただき、これからの方針を一緒につくり上げていく姿勢を大切にしてきました。

これから目指す地域の姿

私たちが目指すのは、単なる実績づくりではありません。住民の健康寿命を延ばしたい。「介護予防」という言葉にとらわれず、どの世代からでも始められる健康づくりへと概念を広げていきたい。現場の人が疲弊することなく、楽しみながら成果を出せる仕組みにしていきたい。人々や地域の思いを大切にしながら、データを活用して地域課題を見える化していきたい。そして、介護予防で確かな成果を出し、自治体の経済的インパクトと持続可能性の向上に貢献していきたい――そう考えています。

その先に見据えているのは、「ぴしゃトレ」を起点に、医療や介護の枠を超えて地域活動や交流の場へとつながる「社会的処方」のモデルです。保健事業と介護予防を一体的に進め、三股町で培ったノウハウを、資源の限られた地域でも成果を出せるモデルとして、全国へ発信していきたいと考えています。

私たちは、自治体の皆さまと一緒に地域の未来をつくっていくパートナーとして、これからも三股町をはじめ多くの自治体とともに活動していきたいと思います。

地域の健康づくりについて、お気軽にご相談ください。

介護予防事業・介護DX・介護保険事業計画・健康経営など、
自治体・会社・団体に合わせたご提案をいたします。